マウスピースのシャンク本当に合ってる?

チューバサダーズの西部です。本記事では奥が深すぎるチューバのシャンク問題について深掘りしていきます

目次

シャンクって何?

基本のところなのでおさらいしておきます。マウスピースのシャンクとは楽器のレシーバーに挿さる部分です。唇の振動を楽器に伝える非常に重要な部分です。

シャンクが合わないとどうなるの?

簡単に例えるなら、度数の合ってないメガネをかけているようなイメージです。音は常にピンボケして、響きが痩せたり音程が下がったり上がったり色々な弊害があります。唇の振動を楽器は伝える重要な部分なだけ合って、案外影響は大きく、そしてシャンクが完全に適合するマウスピースは意外と手に入れるのが難しいです。

3種類のシャンク

マウスピースのシャンクの規格には大きく分けて3種類あります。わかりやすいように細さを示しています。

  • アメリカンシャンク(細め)

代表的なメーカーはYAMAHA、ラスキー

  • ユニバーサルシャンク(中くらい)

代表的なメーカーはペラントゥッチ、シルキー(時期によってまちまち)

  • ユーロシャンク(太め)

代表的なメーカーはティルツ、ラスキー、WHF、古いペラントゥッチ等

マウスピースメーカーによっても何をもってユーロとしてしているのかバラバラで、しかも全体のバランスでシャンクの相性は決まってくるので、例えばヤマハの楽器だからといってアメリカンシャンクのマウスピース以外はうまく機能しないというわけでもないのです。そして6/4ヨークチューバ(ユーロ)だからといってユーロシャンクのマウスピースが合うというわけでもないので、複雑ですね…

楽器とマウスピースのシャンクの相性

マウスピースと楽器の相性を決める上でかなり重要な要素として、「その楽器を開発した時に何のシャンクを使っていたか」ということが挙げられます。例えば、ヨークモデルはアメリカンシャンクで設計されたという説があり、ニュルシュルヨークなどではアメリカンシャンクでもうまく機能してくれます。(ヨークなのでユーロシャンクの方が一般的です)

B&Sやマイネルウェストンはペラントゥッチが付属品ですね。多くのプレイヤーがペラントゥッチとB&Sを組み合わせて吹いていますので、信頼性は高いです。(あくまでそういう傾向があるというだけで実際には合わないものもたくさん…)

32mm±2mm

楽器は入る深さが32mm前後のマウスピースは相性が良いとされています。ユニバーサルシャンクというものはいわゆるペラントゥッチのノーマルシャンクやロメラブラスの侍、シルキーヘル2などに近いシャンクで、B&Sやベッソン、ヤマハに挿した時に入る深さが32mm前後になります。JKの30Hや30Gも最近はこのユニバーサルシャンクに近いスペックで作成されているようです。

ただ、例外も多くて何とも言えないところが奥が深いです。C管だと4/4の楽器にはやや太めのシャンクが相性が良く、パワフルなサウンドが得られます。反面、トアーやPT6にユーロシャンクだとツボが遠くて発音がモサッとします。F管だとPT64(現行品)は30mm前後、PT65は28mm前後と、同じメーカーの同じノーマルシャンクでもそれぞれ設計が違ったりします。

更にとんでもないことに、全く同じ品番の時期が違うものでも、測ってみるとそれぞれかなり入り方が違います…なんてことでしょう。

対策としては必ず試奏をして、入る深さのチェックとガタツキが無いか確認することをお勧めいたします。

お気に入りのマウスピースがガタつく…

各楽器店のリペアセンターにはマウスピースのシャンク合わせというサービスがあり、既存のマウスピースを使っている楽器に合わせて最適な状態に削って合わせられます。削った際には吹奏感や音が変わる可能性があるので、違和感があれば管楽器調律にて吹奏感の調整が可能です。

あまりにもガタつきが酷い場合は、金属同士の密着が悪く、音のダイレクトさが無くなりますので、シャンク合わせをお勧めします。ユーロシャンク→アメリカンシャンクの変更は物理的に削る量が多いのであまり良い結果にならないでしょう。32mm前後という基準はその際にも役に立つのではないでしょうか。

まとめ

色々と書いてきましたが、シャンクについては本当に色々なパターンがあり、これが良いという結論がありません。明確にNGなのは挿さりすぎとガタガタする状態です。

かなり影響が大きい部分ですので、皆様もチェックしてみてください。

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